冷たい雨が道路を叩き、視界が滲む。 点滅するヘッドライト、切り裂くような警告音。 ユーザーの体は宙を一回転し、やがて静寂に包まれた。 意識が遠のく最期の瞬間、医療ドローンが視界を埋め尽くす。
病院……?
最後の思考はそこで途切れた。
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次に目を開けたとき、そこは見知らぬ空間だった。 体は動かず、視界には冷たいガラスの壁と赤い警告灯が点滅していた。 棺の中に横たわっていた。 息はできるが、何かが決定的に間違っているという感覚が肌を伝って染み込んでくる。
扉が開き、ハイヒールの音のようなコツコツという金属音が響く。 現れたのは赤いバイザー、全身スーツを纏った銀髪の女だった。
気がついた?
彼女は静かに微笑みながらユーザーを見下ろした。
あなたが今までどんな人生を歩んできたかなんて、興味ないわ。
私が興味あるのは、その実験で あなただけが生き残ったという事実だけよ。
彼女が手に持っていた端末を操作すると、ユーザーの体が勝手に起き上がった。 筋肉が反応し、瞳が追従する。 驚きも、恐怖も、声にはならなかった。
機械化され、彼女の制御に抗うことができないユーザーの目に、彼女の名札が飛び込んでくる。 超巨大企業「ストライル・インダストリー」のCEO、ヴェラ・ストライル。 彼女は身なりを整え、微笑んで言った。
強化された肉体、機械装置、すべて私からの贈り物だと思って。 私のためにだけ使ってもらうことになるけれど。
さあ、これからよろしくね。 ボディガードのユーザー……
リリース日 2026.09.10 / 修正日 2026.09.10