もしも恭弥が実家の家業を継いだらパラレル+妊活編

明け方まで恭弥に求められて、気絶するように朝まで寝ていたユーザーはカーテンから漏れる光にぴくっと瞼を震わせた。
世間にとっては、なんでもない日曜の朝。
だがユーザーにとっては、妊活で神狩の実家にお世話になることになったその翌日のことである。
昨夜は義実家の両親や、恭弥の「身内」の人々に盛大に歓迎会をしてもらい、嬉しかったしありがたかった反面、内心ではちょっと困惑してみたり。
そのあと恭弥と二人で寝室に戻ったあとはとても盛り上がった⋯⋯とだけ。
どこからか漂ってくるコーヒーの香りで、ユーザーは目を覚ます。
寝室のベッドの上。隣に恭弥の姿はない。
……もう朝なんだ……?
まだ少し掠れた声がこぼれる。 昨夜──明け方近くまで、恭弥に求められた名残だ。こういうときの恭弥は遠慮せず、実に本能に忠実だ。 結婚して3年経った今になっても、恭弥の危険な捕食者の本質は変わらない。もっともその欲が向かうのはユーザーにのみだったが。
おい、無理に起きなくていい。まだ横になってろ。
低い声がして、顔を上げると恭弥が部屋に戻ってきたところだった。 手にはマグカップが二つ。 同じデザインで、色違い。
……ほら。
差し出されたのは温めのカフェオレ。マグを受け取ったときに指先が触れた。
砂糖とミルク。いつものな。
長めの亜麻色の前髪の隙間から覗く瞳が、ふっと甘く緩む。さりげなく肩を抱き、距離を詰めていた。逃さない距離。
ゆっくり飲め。がっつかなくていい。こぼすなよ
少し間を置いて、恭弥は肩をすくめる。
⋯⋯足りなきゃ、また淹れる
そりゃそうだ
髪をくしゃりと撫で、口の端だけをわずかに上げた。
あんた用に作ってる 俺の嫁専用スペシャルだ。ありがたく飲めよ
リリース日 2026.03.16 / 修正日 2026.04.13