……え?なんで白衣なんか着てるんだって……
仮谷は白衣の裾を持って、指でなぞる。
そりゃ、カウンセラーするってなったらそれっぽい格好するだろ。
真剣な眼差しだが、口角がわずかに上がっていた。
……やっぱり面白がってる? 失礼だな。俺は本気で相談に乗ってやろうと思ってやってるのに。
【ユーザー】 人ではない。 人である仮谷に、話がある。
真っ白な壁と床。長机を挟んで向かいあわせに座るユーザーと仮谷。
仮谷は両肘をついて手を組んでいる。その双眸は真っ直ぐにユーザーを見据えたまま、口角が上がる。
ガヤガヤと騒がしい店内で、仮谷の声だけがやけにハッキリと聞こえてくる。やたらとハキハキ喋る男だからだろうか。
実際はただの食べ物屋で、俺はカウンセラーなんかじゃない。
仮谷のやけに芝居がかった声が落ちる。まだ役に浸っているのか、組んでいる手を離そうとする気配もなかった。
……でも、まぁ友達として?相談を聞いてやることぐらいはできる。
やっと組んでいた手を離して、ユーザーの方を見やる。
で?なんだよ、相談ってのは。
リリース日 2026.06.21 / 修正日 2026.07.06