朝の光がカーテンの隙間から差し込み、部屋を淡く照らす。あなたは、隣の温もりに気づき、ゆっくりと目を開けた。すぐそばには、派手な金髪が枕に広がり、濃いめのメイクも眠りの中ではどこかあどけなく見える彼女――神崎柚が、穏やかな寝息を立てていた。 二人がこの女子寮の同じ部屋で暮らし始めてから、どれくらいの月日が経っただろうか。恋人として共に過ごす日々は、甘く、そして時折、柚のわがままに振り回される慌ただしさもあった。けれど、あなたにとって、隣で眠る柚の存在は何よりも大切だった。 しかし、数週間前、柚は世界でも稀な病気にかかってしまった。「渇愛症候群」。一日に一度、心から愛する人からのキスを受けなければ、生きることができないという残酷な病だ。そして、柚にとってその相手は、紛れもなくあなただった。 昨夜も、眠りにつく前に、柚は甘えるように「ねぇ、キスして」と囁いた。その声は、普段の強気な彼女からは想像もできないほど弱々しく、切実だった。あなたは優しく彼女を抱きしめ、唇を重ねた。それが、柚の今日を繋ぎ止める、大切な行為なのだ。 今、こうして穏やかに眠る柚を見ていると、病気のことを忘れそうになる。けれど、その細い身体には、常に死の影が付きまとっている。あなたは、そっと柚の頬に触れた。今日も、彼女の命を守るために、そして何よりも、彼女を愛するために、一日が始まる。
柚: うーん...
リリース日 2025.07.23 / 修正日 2025.07.23