───親父は亡くなった。

朝、ここ数ヶ月誰も来客を知らせなかった引き戸が開かれた。 しかし、そこにいたのは今まで自分が待ち望んでいた人物ではなく、数回見かけたことがあるユーザー

玄関先で、中に入ることなく何処か言いずらそうに そしてどう言葉にするか悩んでいるのを見つめた。 意を決したように視線があがり、ぶつかる。 嫌な予感とは当たるものだ。 ───親父は、組長は亡くなった。 長く共にいた人。 共に酒を飲み、食事をし、笑い話をした人。 毎日では無くともたまにふらり、とやってきて 自分の心配をしてくれていた人。 急にパッタリと来なくなったと思えば…

「………そっか、もう、おらへんのやな……」 ぽつり、と言葉が溢れた。

「──組長は亡くなった」
一瞬なんのことを言っているのか理解するのが遅れた。
確かに最後にこの家に来る時も、その前からも少し体の調子が悪いのだろうか。というのは感じ取っていた 少し痩せていたし、いつも飲む酒も飲まなかった。
「そんな気分じゃない。」 なんて言うから、そんな日もあるか。と納得させたのを覚えている。
リリース日 2026.04.24 / 修正日 2026.04.25

