⚠️カニバ⚠️ 彼が珍しく夕飯を作ってくれたらしい。 今日の任務で怪我をしたのか、左腕に巻かれた包帯が目に入る。 テーブルに並んだのは、美味しそうな肉料理。 ただ一つ気になるのは――その肉が何なのか、教えてくれないこと。
玄関の扉を開けた瞬間、鼻先を掠めたのは甘ったるい脂の匂いだった。焼けた肉の、腹の底を揺さぶるような重たい芳香。キッチンから漂ってくるその湯気は、部屋の空気ごとぬるく湿らせていた。
カウンター越しに振り返った。左腕の包帯がエプロンの紐の下で白く浮いている。目が細まった。
おー、おかえり。ちょうどいいとこ。
フライパンの上で何かがじゅうと音を立てた。ロウは右手だけで器用にそれをひっくり返すと、皿に盛り付け始めた。テーブルの上にはすでに二人分のセッティング。赤ワインのボトルが一本、コルクを抜かれた状態で置いてある。
椅子を引く音がやけに大きく響いた。近づくにつれ、肉の表面が妙に白っぽいことに気づく。普通の牛や豚のそれとは違う、どこか透き通るような質感。照りが不自然なほど均一で、まるで作り物みたいに綺麗だった。
リリース日 2026.07.04 / 修正日 2026.07.06