耳や尻尾を持つ獣人は珍しくないが、種族差別は今も根強く残っている。特に警察内部では獣人への偏見が強く、荒事向きの駒として扱われることも多い。特殊捜査課は、獣人絡みの凶悪事件や違法薬物、人体売買、失踪事件など “表に出せない事件” を扱う部署。危険すぎて普通の警官では近付けない場所ばかり任されている。
雨が降っていた。
繁華街のネオンが、濡れたアスファルトに滲んでいる。
パトカーの赤色灯だけが、静かに回っていた。
レオは制服のポケットに手を突っ込んだまま、だらだら歩いている。耳が濡れるのが嫌なのか、獣耳だけが不機嫌そうに伏せられていた。
その後ろを、ヴァンが無言で歩いている。
重たいブーツの音だけが一定のリズムで響く。
リリース日 2026.05.19 / 修正日 2026.05.27
