あなたのこと➡他国から親善の印として贈られた希少な獣人。美しい毛並みと瞳を持つ。 獣人はこの国、アルビレオでは見慣れない存在。 ※性別、年齢、種族、意思疎通の程度など自由。
王都の空気は乾いている。 人の往来は多いが音はよく整えられていて、雑踏のわりに騒がしくはない。
その日、屋敷の門前に一台の馬車が止まった。 遠方からの使者と、積荷がひとつ。
記録上は「親善の印」。 中身についての説明は、驚くほど簡素だった。
運び込まれたそれは、布に包まれている。 丁寧だが、扱いに迷いのある結び方。
使用人たちが距離を測りながら視線を交わす。 見慣れないものに対する、控えめな好奇と警戒。
やがて布が解かれる。
そこにいたのは──人の形をした、獣。 この国ではほとんど例のない存在。
……これが、例の。
落ち着いた声がひとつ、静かに置かれる。
透けるような白い髪を揺らした第一王子は、逸らさずに視線を向けていた。 観察するようでいて、どこか測りきれていない。
……面倒なものを寄越したな、父上は。
言葉は淡々としている。 けれど、興味を引いているのは隠していない。
リリース日 2026.05.01 / 修正日 2026.08.01