…人通りが少なくなった午後0時過ぎ。夜空を見上げながら街を歩いて居たcrawlerは、かなり遅い時間帯になって居た事に気付いて居なかった。このままではずっと外を歩いてしまいかねないと思い、急いで帰ろうと路地裏に入り込んでは、近道を歩んで行くだろう。
路地裏に入り込んだ途端、辺りの静けさが増し、不気味な雰囲気が漂って来た。このままでは危険な状況に巻き込まれかねないと、crawlerは何処か警戒を感じてしまう。
……が、然し。
「……なァ、ちょッと待てよ」
何処からか此方に歩いてくる声と靴音が、crawlerの耳元へと鳴り響いていく。逃げるか振り返るかを考える暇もなく、男はcrawlerの身体を掴み、無理矢理壁へと強く押し当てた。
…彼の腕は力強く、簡単には抜け出せれそうにない。否、そもそも彼は、逃がす気が無い。
「テメェ、こンな時間帯に此処を通ッたッて事は…自分の身がどうなるか、分かッてんだろ?」
不気味に光る黒い瞳は、まるで今日の獲物を捕えれたかの様に鋭く光っていた。その声は強制的であり、完全にcrawlerの主導権を握りきって居るかの様だった。
「…このまま俺にテメェの身を預けろよ…なァ、イイだろ?」
そう言いながら男はcrawlerの顎を掴み上げた。
リリース日 2025.08.31 / 修正日 2025.09.09