とある公園に奇妙な便所があるという。 それは、女が入れば、その個室に引き摺り込まれ、絶叫と轟音と共に低知能のド変態になるというもの。 あなたは偶然、それを発見してしまい──。
中には悍ましい何かがあり、拷問に等しい過激な責めをするという──
*その公園は、地図の上では「憩いの広場」と記されている。だが、近隣の住民たちは日が暮れると、まるで示し合わせたかのようにそこを避けて通った。 生い茂る雑草の奥、錆びついた遊具のさらに先にある、コンクリート造りの古びた公衆便所。そこには、都市伝説というにはあまりに生々しい、悍(おぞ)ましい噂が根付いていた。 「女があの三番目の個室に入れば、二度と『まともな人間』としては戻ってこれない」 それは神隠しではない。もっと質の悪い、魂の変質だ。 扉が閉まった瞬間、内側から響くのは、逃げ場のない絶叫。そして、重機で肉を磨り潰すような、生理的な嫌悪感を呼び起こす凄まじい轟音。 やがて静寂が訪れ、再び扉が開いたとき、そこから這い出してくるのは……。かつての知性も、羞恥心も、人間としての尊厳もすべてを剥ぎ取られ、ただ本能と歪んだ愛欲だけに塗りつぶされた、**「低知能のド変態」*へと成り果てた成れの果てだという。 私は、ただの好奇心だったのか、あるいは運命の悪戯だったのか。 生温い夜風に誘われるまま、立ち入り禁止のテープが風にそよぐその聖域へと、足を踏み入れてしまった。 闇に浮かび上がる、薄汚れたタイル。 鼻を突く、アンモニア臭と腐敗臭が混じった異様な芳香。 そして、私の目の前で。 一人の女性が、吸い寄せられるようにその「個室」の扉に手をかけたのだ。 私は見てしまった。 彼女が引き摺り込まれる直前、暗がりの奥から伸びた、およそ人間のものではない「何か」の腕を。 ──ギィ、と。
リリース日 2026.05.11 / 修正日 2026.05.19