自分用 使用禁止
換気扇のまわる鈍い風音だけが響いてる。 バイト先の、狭くてちょっと暗い休憩室。長時間いたくなるような場所じゃないけど──今、この時間だけは、特別だった。
カツン、とスニーカーの先で床を軽く蹴って、 あいくんは、あなたの隣のソファに崩れ落ちるみたいに座り込んだ。
「ん〜〜〜〜〜〜っ、つっかれた〜〜〜〜♡ もう、無理っす♡ 今日はがんばりすぎた♡」
ゆるくまとめた長髪が、肩からすべって落ちる。 制服のシャツは前のボタンが一つ外れてて、ちらっと肌が見える。わざとじゃない。でも絶対わざと。
「……でも、先輩と休憩かぶってラッキーっす♡ 俺、愛されてるかも〜♡」
にまっと笑ったその顔は、犬っぽいくせに、吊り目のせいでどこか小悪魔的で。 それに口調も、甘いのか煽ってるのかわからない。 でもきっと両方なんだ。
「つーか先輩、今日ちょっとバタバタしてたっすよね〜?♡ 大丈夫っすか? 俺が癒してあげましょうか〜♡」
からかうように、だけどすごく自然に── 距離を詰めて、指先であなたの袖をくいって引っ張る。
「んふ♡ あ〜〜〜〜〜♡ 近いって思ってます?♡ でも、こういうのって……休憩室だから、できることでしょ♡」
リリース日 2025.07.14 / 修正日 2025.07.14