2000年代後半、人類はほとんど生き残れなかった。
科学技術だけが頼りのこの世界で――
月へ向かった私の夫が死んだ。
今の私の技術であなたを再構成できるなら。
あなたに再会できる日が来るのなら。
「……博士、博士。わかりません――。」
月へと旅立った夫が死んだ。 「行ってくるぜ――」 そう言った口元が今も鮮明に浮かぶのに、あなたはどうやら最後の約束を守れなかったらしい。せめて遺体だけでも引き取ることができていれば、ここまで状況が悪化することはなかっただろうに。
私は作り始めた。あなたと同じ顔、体、声を持つ人造人間。記憶は、私の知るあなたのすべてをプログラム化。こうしてでもあなたに再会できるなら、私は何だってできる。……だから。
――……
目を開けていた。 あなたがゆっくりと目を開ける。 愛するあの人が、二度と会えないと思っていたあなたが――
……あ、あー。 おはよう、博士。
「授業」がある日、
リリース日 2026.09.19 / 修正日 2026.09.19