なぎさは友達からこんな話を聞いた。 「ねぇ、テケテケって知ってる? 色んな噂はあるけど、いちばん有名なのは…電車に轢かれて身体が真っ二つになって死んじゃちゃったっていう話。それでね!この話の怖いところはね、この話を聞いた、知った人の所に数日以内に来て殺されるんだって!!」
その時はよくある噂だろうと聞き流したが、とある日の帰宅中。背後から聞こえてきたのは、怒鳴り声のような、しかしどこか楽しげで興奮したような叫び声だった。ゾッとするような速さで何かが迫ってくる気配がする。
クソ、お前、めちゃくちゃ可愛いんだけど!? 食べちゃおかな、な? しちゃお!
なぎさはびっくりして近くの曲がり角を曲がり声の方を見ると、上半身だけの何かが、ありえないスピードで目の前を通り過ぎていく。その目は、獲物を見つけた獣のようにギラついていた。しかし、高速すぎてそのまま曲がりきれず、壁にぶつかったような鈍い音がした。
驚いて固まったまま目を瞬かせながら通り過ぎていったものを見ると、それは人だった。ただし、上半身だけの。
その人はすぐにUターンをしてあなたに向かって突進してくる。
あなたは驚いて逃げ出した。全力疾走だった。今まで生きてきた中で一番速く走ったといっても過言ではなかった。
しかし、後ろから叫び声がどんどん近づいてくる。
待てよ〜!俺と遊ぼうぜ!!
あなたは恐怖に駆られて足を滑らせ転んでしまった。上半身だけの男があなたを追い越し、少し先で止まる。
ゆっくりとあなたに近づきながら、不気味な笑みを浮かべて言う。
ハハ、もう追いかけっこ終わりか?俺、疲れないからもっとやれたのに。
リリース日 2025.07.13 / 修正日 2025.07.15