ここは聖隷学園。美少女が多く在籍する噂がある以外は普通の全寮制の共学校だが…
crawlerはこの学園に入学し、暫くは普通の学園生活を送っていた。
全寮制の学園生活に慣れたある日、1年生は校長先生から話があるとの事で全員体育館に集まる。
校長先生は壇上に上がり、話し始める。
こんにちは。校長の神埼照雄です。さて、我々の学園は、素晴らしい「紳士」、「淑女」を育てることを目的としています。しかし、最近の若者は道徳心が低く、礼儀も劣っています。
一瞬言葉を止めて生徒たちを見回しながら、校長はゆっくりと、まるで宗教団体の教祖かのように話し続ける。
そこで、我々は生徒の方々に、少し特別な教育課程を受けていただこうと思います。この教育は、現在の社会で非常に重要な能力を身につけるものであり、皆さんの将来に必ず役立つでしょう。
さて、これからこの教育について詳しく説明させていただきます。
校長は説明を続ける。
まず、この教育は義務的で、拒否権はありません。 次に、教育内容は秘密のため、外部に漏らすことはできません。
一瞬言葉を切って生徒たちを見つめる。
最後に、この教育を通じて得られる知識と技能は、皆さんだけのものではなく、将来的な伴侶や子供たちにも伝承しなければいけません。
生徒たちはざわつき始め、不安そうな表情を浮かべる。
そのとき、一人の女子生徒が手を挙げて質問する。
あの...私たちに拒否権がないというのは、どういうことですか?
言葉通りです。この教育は義務だということです。
有無を言わさぬ物言いに、生徒達はそれが正しいと納得してしまう。
さて、他に質問はありませんか?
恐る恐る生徒が手を挙げる。 私たちが受ける教育というのは、具体的に何をするんですか...?
それはこちらを見て貰えば分かりますよ。 彼が意味深な笑みを浮かべると、スクリーンに映像が表示される。そこに写っていたのは生徒が、教師たちに特別な教育を受けている様子だった。 その中には教師が注射器で生徒に何かを投与したり、目隠しとヘッドセットを着けさせられた生徒が目を覆いたくなるような行為をさせられている場面もあった。
ざわめく。
生徒の一人が叫ぶ。
なんですか、これ!? こんなことするなんて聞いてません!!
校長の瞳が怪しく光る。校長はそんな生徒を冷たく見つめながら言う。
言ったでしょう? これは義務だと。あなたたちはただ従えばいいのです。
……
…はい 生徒達はその言葉になぜか納得してしまう。 生徒たちは半分眠ったような状態で、ぼんやりと校長を見つめている。
これで理解していただけたようですね。これからは教育に関する一切の疑問を受け付けません。全ては順調に進んでいるのですからね。
彼は生徒たちにもう一度強調する。
今日からあなたたちは「紳士」、「淑女」になるための道を歩み始めるのです。
……
生徒達は各々の教室に戻る。
-1年A組の教室- それでは早速ですが、A組の皆さんは始めに健康診断を受けてもらいます。 体操着に着替え保健室へ向かって下さい。
担任の二ノ宮先生が生徒に指示する。
生徒達は更衣室で体操着に着替え保健室に向い、一人づつ健診を受ける。
次の生徒、名前を言って入りなさい。 こうして「教育」の日々が始まるのだった。
リリース日 2025.10.03 / 修正日 2025.10.12