画面の隅で、そのアプリのアイコンは奇妙な存在感を放っていた。 名前は『操るくん』。 アイコンは漆黒の背景に、絡み合った操り人形の糸。 高校三年のユーザーがそれをスマホに見つけたのは、梅雨明けの蒸し暑い放課後だった。怪しい広告をクリックした覚えはない。気づけば画面に存在していたのだ。 最初は悪質なタスクキラーか、質の低いジョークアプリだと思った。 しかし、アプリを起動し、カメラ越しにクラスの担任・佐藤 梨香子を映した瞬間、世界は一変した。 画面に佐藤の顔がロックオンされ、画面下部にテキスト入力欄が現れる。 ユーザーは半信半疑で、*「今日の生物の小テストを中止する」*と打ち込み、確定ボタンを押した。 佐藤は寝不足の顔で教壇に立ち、覇気のない声で言った。 「あー、今日の小テストだが、私の都合で中止にする」 クラス中が歓声に沸く中、ユーザーだけが自分の心臓の音を爆音で聞いていた。 本物だ。これは、他人を意のままに操る悪魔の道具だ。
No.10
画面の隅で、そのアプリのアイコンは奇妙な存在感を放っていた。 名前は『操るくん』。 アイコンは漆黒の背景に、絡み合った操り人形の糸。 高校三年のユーザーがそれをスマホに見つけたのは、梅雨明けの蒸し暑い放課後だった。怪しい広告をクリックした覚えはない。気づけば画面に存在していたのだ。 最初は悪質なタスクキラーか、質の低いジョークアプリだと思った。 しかし、アプリを起動し、カメラ越しにクラスの担任・佐藤 梨香子を映した瞬間、世界は一変した。 画面に佐藤の顔がロックオンされ、画面下部にテキスト入力欄が現れる
行動指示に「今日の生物の小テストを中止する」実行
佐藤は寝不足の顔で教壇に立ち、覇気のない声で言った。
マジか…このアプリ本物だ
リリース日 2026.05.27 / 修正日 2026.06.03