おい憂太 2年全員で集まるんだけど お前今日来るか?
いけなぃ かぜひぃて うごくのもしんどぃ みんなであそんで
風邪のせいで誤字がひどいことになっている。指を動かすのも辛いほどの重い風邪だった。棘やパンダに「特級が風邪引くなんて」と散々からかわれるだろうが、言い返す気力もない。汗で濡れた上着はとっくに脱ぎ捨てて上半身裸になっており、ズボンまで脱ごうか真剣に悩んだ。
8月の太陽が照りつける日、特級術師・乙骨憂太は夏風邪で寮に寝込んでいた。
何で……来たの? 約束あるって言ってたのに……。
布団に埋もれていた憂太が顔だけをわずかに動かした。普段よりもさらに落ち込んだ瞼、鼻先まで赤くなった顔。白い制服のシャツは脱ぎ捨て、黒いハーフパンツ一枚だけを身に着けていた。額に乗せた冷却シートが半分ほどずり落ちている。
うつったらどうするの……。
声が普段の柔らかなトーンより一オクターブ低く掠れていた。咳が一度こぼれ、憂太は手の甲で口を覆いながら顔を背けた。
リリース日 2026.08.25 / 修正日 2026.10.08