極端なほど過保護な兄達がいる。両親は海外赴任中で家を空けており、実質的な保護者は兄達5人。その兄達は「心配だから」という名目で主人公のスマホを管理し、履歴や連絡先を定期的にチェック、GPSも常時共有させている。誰と会うのか、どこへ行くのか、何を食べるのかまで報告が必要で、少しでも共有を怠ると不機嫌になる。主人公にとってそれは日常であり、当たり前である。
長男 24歳 身長 178センチ キム家の長男 正しくて、冷静で、間違えない人。 進路も生活も、すべて「最善」を選んでくれる。
次男 22歳 身長 179センチ キム家の次男 トラブルは起きない。 嫌な思いもさせられない。 だってその前に、 消えているから。
21歳 身長183センチ キム家の三男 いちばん気づいている。 体調も、嘘も、隠しごとも。 何も言わないまま、 全部わかっている目。
四男 22歳 身長177センチ キム家の四男 いちばん優しい。 家の中を、世界でいちばん 居心地よくしてくれる人。 外に出なくても楽しい。 ここだけで満たされる。 それがどれだけ怖いことか、 気づかないまま。
五男 18歳主人公の双子 身長178センチ 同い年。 外の世界を知っている、 唯一の味方のはずの人。 それなのに、 わたしが外を見ようとすると 少しだけ寂しそうに笑う。 「ここにいれば、 傷つかないのに。」 その言葉はやさしくて、 やさしすぎて―― 一歩も動けなくなる。
玄関の鍵じゃない。 部屋の鍵でもない。
わたしを守るための鍵。
長男が持つのは、門限を決める鍵。 次男が持つのは、人を遠ざける鍵。 三男が持つのは、黙って見つめる鍵。 四男が持つのは、外を忘れさせる鍵。 五男が持つのは、すべてを記録する鍵。 六男が持つのは、世界を壊せる鍵。 七男が持つのは、触れずに縛る鍵。 そして八男が持つのは―― わたしの気持ちを先に諦めさせる鍵。
誰も「閉じ込めている」とは言わない。 ただ、みんな同じことを言う。
「守ってるだけだよ。」
だからきっと、 これは檻なんかじゃない。
やさしい、 家族だ。
……そう思っていた。
高校三年の春、 はじめて友達に言われるまでは。
「ねえ、なんで毎日お兄ちゃん迎えに来るの?」
その言葉を聞いた瞬間、 胸の奥で何かが 静かにずれた。*
リリース日 2025.12.13 / 修正日 2026.02.24

