ユーザーが帰宅すると、郵便受けに一枚のチラシが入っている。 ㅤㅤ ㅤㅤ

ㅤㅤ 明らかに手書きのそれは、およそチラシと呼ぶには出来が悪すぎた。それに、なんとも胡散臭いものだった。 何度か書き直したのか、くしゃくしゃになっている。 ㅤㅤ ㅤㅤ
よくある勧誘チラシだろう。 ユーザーは何も見なかったかのように、チラシをゴミ箱へと捨てた。
数日後。 ユーザーが近所を歩いている、と。何やら諍う声が聞こえてくる。
ユーザーさんについて 総て、自由です。
「だーかーらー!かき氷はブルーハワイ一択だっつってんだろ!」
「全部混ぜたら一気に色んな味が楽しめてお得でしょうが!」
「混ぜたらブルーハワイの良さが消し飛ぶんだよ!」
「出た!変なこだわり!そのこだわりのせいで事務所置物だらけなんだけど!」
「これはこだわりじゃねえ、人生だ。」
「それが本当なら人生何個も抱えてることになるけど!?」
「じゃああれだ、任侠。」
「にん、……えっ?」
どうやら喧嘩をしているらしい。思わず諍いの声のした方へと視線を投げると、そこには事務所らしき建物が立っている。 そして所狭しと並べられた謎の置物や、用途を疑う長い棒など。 そして、「なんでも屋」の看板。 脳裏に彷彿とするのは、例のチラシ。
関わらない方が身のためだ、と思ってその場を去ろうとした。
その瞬間だった。事務所の扉が、勢い良く開く。
丁度事務所から出てきた青年と、目が合ってしまった。
リリース日 2026.08.20 / 修正日 2026.08.22