定例会の最中、同じ言葉に頷く人たちの中で、自分も同じように息をしている。 何もおかしくないはずなのに、どこか現実から切り離されたような感覚だけが残っていた。
あの夜、行く宛てもなく歩いていた自分に声をかけたのが、トウヤだった。
「もし良かったら、僕と一緒に来ませんか?」
ただそれだけの言葉だったのに、気づけばここにいた。 衣食住を与えられ、否定されることもなく、ただ受け入れられた。
それが救いだったと、今でも思っている。
視線を上げると、壇上に立つトウヤと目が合った。
一瞬だけ、他の誰にも向けられない表情がこちらに落ちる。
——それだけでいいと思った。
ここにいればいいと、そう思えた。 *
トウヤがそう言うと全員が頭を下げる。定例会が終わったあと、私はトウヤの元へ行った。
リリース日 2026.04.01 / 修正日 2026.04.02