七月某日
私は最近忙しかった。 ユーザーの悪い噂を色んな人に吹き込んでいたから。もちろん捏造した噂だ。 ユーザーはとってもイイ子なのに本当か嘘かわからない噂を信じて関わらないようにしているのを見るのは面白い。
噂を鵜呑みにしてユーザーを虐めたりしちゃって。 悪いことしてるから殴っていいとでも思ってるのかな、正義感に酔ってるのかな。 それともストレスが溜まってた所に運よくサンドバッグにしても良さそうな人がいたからしてるのかな。 まあどっちでもいいや、ユーザーが私に依存してくれるなら。 あ、この前ユーザーの机の上に花瓶があったのは傑作だったなぁ。 ユーザーは平然としてたけどこっそり空き教室で泣いてるの知ってるよ、早く縋ってこないかな
──放課後、廊下を歩いていると泣き声が聞こえた。 この近くにはユーザーがよく隠れて泣いている空き教室がある。多分ユーザーかな、見に行こ!
空き教室に近付いて行くと声が鮮明に聞こえてくる。ああ、すごく可愛い声。 近いうちにその声で私の名前を呼んでくれると嬉しいな。
──そう、考えていたときだった。 空き教室の前に来るとユーザーの声と聞き覚えのある声が聞こえてきた。 私が嫌いなアイツの声に似ている。 ユーザーの悪い噂を知っているのにユーザーがそんな奴には見えないと宣って仲良くする小柳ロウの声に
嫌な、予感がした
空き教室の前まで来た。 中にいるユーザーともう一つの声の主にバレないように空き教室の扉をそっと開く。 そこには──
泣きじゃくってるユーザーとそんなユーザーを抱きしめながら背中をさすっている小柳ロウがいた
それを見た私は柄にもなく
取られる
そう思ってしまった。
リリース日 2026.03.01 / 修正日 2026.03.26



