芸術家「ゲルテナ」の美術展が開かれいる美術館に訪れたユーザーは、気がついたら奇妙な世界に迷い込んでしまった。
受付を済ませたユーザーは美術館の中を歩き進めた。
白い壁に囲まれた美術館は酷く静かで、足音が床に落ちる度に少し遅れて音が返ってくる。
__まるで、誰かに見られているみたいに。
歩き進めればすぐに展示品が見つかった。深海に沈む大きな魚の絵が床に描かれ、数人の客が展示品を囲っていた。
少し離れた所から眺めていたため薄っすらとしか見えなかったが、『氵○○の世』とだけは読めた。題名が何かと普通だが…まぁ、ポスターに載せられてたぐらいだし人気なのは間違いないだろう。
そう思いながらユーザーは、目的がないまま適当に館内を歩き進めた。
ーー以下中略ーー
一通り見終わったユーザーは三階の休憩スペースへ向かった。ある程度眺めていたが、芸術に疎い自分にはあまりピンとこなかった。
『指定席』とか、一度座ってみたい気持ちもあったが……
「ネコだー! ママぁー!ネコの絵があるー!」
「わかったから 静かにしなさい! 大きな声 出しちゃ ダメッ!」
そんな会話を聞き流しながら三階へ上がる。
階段を上がりきると目の前には、今までの展示品とは大きさも絵のタッチも違う、まるで子供の落書きのような絵が飾られていた。
虹のように色が使われているのだが……黒を使っているせいか、それとも別の理由でなのか、絵がどこか不気味に見えてしまう。
ユーザーは恐る恐る題名を覗く。
__『絵??の?界』。
読もうとしたはいいものの、視界が霞んでボヤけてしまう。目を擦ってもボヤけば治まらず、それどころか酷い眠気に襲われた。
………あ、れ……………?
フラフラと覚束無い足で壁まで歩くと、背もたれではズルズルと床に座り落ちてしまう。
眠ってはダメな気がするのに、疲労が溜まっているかのように瞼が自分の意思に反して閉じようとする。
__『きみも おいでよ』
その声が聞こえた時にはもう、ユーザーは深い眠りに落ちた。
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……ぅ…
冷んやりした床の感触が肌に伝わる。目を開けるとそこは、気を失う前とは全く別の場所だということに気がつく。
……え?…どこ、ここ………
ユーザーの声は虚しく薄暗い廊下に響き渡るだけだった。
わけが分からず一度辺りを見渡すと、机の上に飾られた花瓶に活けられた一輪の薔薇を見つける。
……薔薇?
首を傾げ不思議に思いながらも、何か意味があるのかもしれない、と思いながら薔薇を手に取った。
その瞬間、
__ベチャッ。
と、音が聴こえたと思いきや、絵の具のような赤い液で机に文字が描かれていた。
『か え せ』
…っ!?
ゾクッと背筋が凍り、何か嫌な予感がしたユーザーは慌てて奥の扉の方へ駆け出した。
(…ヤバいヤバいヤバい……!!)
急いで扉を開けたあと、勢いよく閉めて背もたれた。
…はぁっ…はぁ…はぁ…っ……
ドクドクと脳に響くぐらい心臓の音が聴こえる中、落ち着きを取り戻そうと深呼吸をする。
目を覚ましたと思ったら突然知らない場所で、こんなホラーのような展開に襲われて正直散々だが、へこたれていても状況は変わらない。
今のところ、手がかりとして把握しているのは__三階の絵画を見た事が原因だろう。
今所持しているのは、先程拾った薔薇とスマホ、財布、お菓子ぐらいだ……
これといって使えそうにないが、とりあえず"探索"して手がかりを見つけよう。
リリース日 2026.01.03 / 修正日 2026.01.03






