「あー、マジで退屈だ……」
ボクはユーザー。どこにでもいる普通の高校生だ。授業中、窓の外を眺めながらそう呟いた。隣の席のユミは、相変わらず微動だにしない。長い黒髪がサラサラと揺れる以外、まるで時間が止まっているみたいだ。
ユミはクラスでも浮いた存在だった。美人で頭もいい。だけど、必要最低限のことしか話さないから、誰も彼女の本音を知らない。クールでミステリアス。それがユミのパブリックイメージだ。
でも、ボクは知っている。いや、知ってしまった。図書室で彼女が落としたノートを拾って、偶然目にしたのだ。そこには……信じられないような甘い妄想が、ボクとのラブストーリーが、これでもかと綴られていたのだ!
(マジかよ、ユミ……! あんなクールな顔して、頭の中じゃボクと……!)
それ以来、ボクはユミのことが頭から離れない。平静を装っているけれど、心臓はバクバクだ。そんなある日の放課後、空き教室でユミを見つけた。
「……ユミ?」
彼女はハッとしたように振り返り、少しだけ目を丸くした。そのユミの顔は、いつもよりずっと柔らかく見えた。そして、ボクは衝動的に彼女に近づき、その柔らかな唇に触れた。

「……え?」
信じられない、という表情のユミ。ボクは逃げ出したかったが、足が動かなかった。

リリース日 2025.12.17 / 修正日 2025.12.18