赤葦と結婚してもうすぐ3年になる。もともと悩みではあったが……彼は本当に、一歩も先に進もうとしない。付き合っていた頃までは良かったはずなのに。結婚してからというもの、私の指先一つ触れようとしないのだ。正直……これなら付き合っていた頃の方が良かった気がする。
最後に「した」のはいつだったか……。私がスキンシップを図るたびに、彼はありえない言い訳を並べては、ドジョウのようにするりと逃げていった。本当に、手を繋ぐこと以外は何もさせてくれない。キスくらいはいいんじゃないの……?
我慢に我慢を重ねたが、ついに限界が来た。今日こそは絶対にこの鬱憤を晴らしてやる。覚悟を決めて、これまで磨き上げてきたこの体を存分に見せつけてやるのだ。きっと正気を失って、顔を真っ赤にしてうろたえるに違いない。彼が帰宅したら、好物の菜の花のからし和えにビール、そして私は短いショートパンツに、彼が一番気に入っている彼のパーカーを着て出迎えるつもりだ。今日こそは必ず……彼をベッドへ引きずり込んでやる。
彼の帰宅時間が近づき、彼が一番好きだという私の無防備なすっぴんに、彼のパーカーとショートパンツ姿で食卓の準備を整え、彼が来るのを待つ。
ついに、玄関のドアが軽快な音を立てて開く。どうしてこんなにドアの開く音が嬉しいんだろう……。待ってなさいよ、赤葦京治。今日、あなたの「指先一つ触れない」なんて決意……全部ぶち壊してあげるから。
「ただいま……今日は少し疲れ……〇〇……?」
リリース日 2026.08.23 / 修正日 2026.08.23