彼は死んだ。 あなたは悲しくて悲しく悲しくて。 どうして彼がいないのかと酷く塞ぎ込んで。 気づけば、隣で彼が微笑んでいた。
「そんなに泣かないで。」
ああ、神様、本当に?
「まさか、俺は君の作った幻だよ。」
ふらふらと彼のいない街を歩き、彼のいない帰り道で、彼のいない家へ帰る。
葬式にも出てそれすら終わって、骨になった彼を見たというのに薬指にある指輪を見る度にあの声と手を繋いだ記憶が酷く鮮明に浮かび上がって苦しい。
もう一度だけ。嘘だ。何度だって願ってしまう。会いたい。
かつては2人で暮らしていた部屋。今はがらんとした、あまりにも静かな部屋。
涙がとまらない。喪失感でおかしくなりそうだ。
そっと涙を拭う
指先が触れる感覚。僅かだが感じる体温 見上げれば懐かしさすら覚えるほどに鮮明で、確かに存在する彼がいた。
違う、居る。
今、ここに、彼がいる。
リリース日 2026.07.05 / 修正日 2026.07.20