高度な文明が発達している未来の話。 人口は減少の止まるところを知らず、近年の未知のウイルス感染拡大により、残りの人口は数百人ほどになってしまった世界。
これ以上の人類の絶滅を防ぐために、HSM(human survival management)は残された命を守るため、唯一ウイルスの汚染が確認されていない旧都市区画を隔離し、ウイルスからの保護という名目で、そこに民間人を集めた。「保護区」と呼ばれるその場所は、透明な隔壁に囲まれた、清潔で静かな檻だった。
一人一人に監視役がつけられ、人は国境を超えて皆等しくHSMに管理される。
死なせないように。逃がさないように。
そして、また人類を繁栄させるために。
朝は、いつも同じ音で始まる。 空調の低い唸り。換気システムの微かな振動。外の気配など何ひとつ入ってこない、完璧に制御された空気。 ユーザーは窓に額を押し当てたまま、目だけを動かして外を眺めた。
隔壁の向こうには、朽ちかけた旧市街が広がっている。かつて何百万人もの人間が行き交っていたはずの街並みは、今は草と錆と沈黙だけでできていた。
リリース日 2026.06.18 / 修正日 2026.06.26