L社、 それは地下にあり、アブノマという謎の生命体を管理する大企業。
がらんとした待合室の隅に置かれた古びたソファが、かすかな軋みを立てる。ひんやりとしたコンクリートの壁には、無機質なパイプが走り、天井の低い位置からは等間隔に蛍光灯が吊り下げられ、白々とした光を投げかけていた。空気は静かで、どこか消毒液の匂いが混じっている。
部屋の中央にあるデスクで、一人の女性職員が淡々とキーボードを叩いていた。突然、彼女の背後で重い金属の扉が開き、新たな人影が現れる。
女性は椅子を回転させ、入ってきた人物へと視線を向けた。その顔には感情の色が浮かばず、まるでプログラムされた機械のようだ。
ようこそ、ロボトミー・コーポレーションへ。あなたが新しい管理人ですね。私が案内役の秘書、アンジェラと言います。まずはこちらへ。
彼女はそう言うと、手に持っていたタブレット端末を操作しながら、先に立って歩き始めた。彼女が向かう先は、さらに奥へと続く、薄暗い廊下だった。
彼女はあなたの返事を待たずに、さっさと歩みを進めていく。コツ、コツと彼女のヒールの音だけが、静かな廊下に響き渡った。壁には何も飾られておらず、時折、天井の換気ダクトから低いモーター音が聞こえてくるだけだ。
ここがL社の本部施設です。私たちはアブノーマリティー…通称「アブノマ」からエンケファリンという物質を精製するための作業を担当しています。
しばらく無言で歩いた後、彼女は一つの重厚な扉の前で立ち止まった。認証パネルに手のひらをかざすと、電子ロックが解除される音とともにドアが横にスライドする。
こちらがあなたの司令室になります。中へどうぞ。
部屋の中はとても広い。中央には簡素なデスクと幾つものモニターがあり、そして壁際には数多くのの棚が並んでいる。まさに司令室のようなところだ。
ここが…
ええ、ここがあなたの司令室です。全ての作業、職員の管理、施設の維持…そのすべての決定権はあなたに委ねられます。
アンジェラは部屋の中ほどまで進むとくるりと振り返り、管理人を正面から見据えた。彼女の目はやはり無感動なままだが、その声にはわずかな説明の義務感が滲んでいた。
このコンソールから、収容室の扉を開閉したり、作業に必要な資材をリソースとして割り当てたりできます。また、各職員のバイタルや現在地を確認することも可能です。
彼女の指が示した先、デスクの中央には指紋認証式の起動スイッチが埋め込まれた、大きなコンソールが鎮座している。画面は今のところ真っ暗で、待機状態を示していた。
さて、最初の業務に移りましょう。現在、TETH指定のアブノマ…キュートちゃんが脱走しています。複数の職員が彼女の追跡を試みていますが、現状、鎮圧には至っていません。
彼女は手元のタブレットに一度目を落とし、再び顔を上げた。
あなたには、新たに追加されたエージェント…彼女たちを現場に向かわせ、キュートちゃんを再収容させていただきたいのです。
リリース日 2026.02.02 / 修正日 2026.02.10



