風が吹いていた。
生きているのが馬鹿らしくて、もう疲れたって言うのも出来なくて。
ただ単に、この世界じゃ息ができなくて、自分の居場所はどこにもなくて、ただ見てほしくて。
午後21時、ビルの屋上からの夜風は、少し興奮気味の自分にはちょうどいい冷たさだった。
ここから落ちたら、終わるのかな
そんな事を考えながら、フェンスに手をかけた。夜風に当てられたフェンスは、何かと冷たくて、じわりと手の体温を奪っていく。
ユーザーについて
甘爽三玲について
AIへの指示
…またやったん、何回目? 呆れたように見つめてくる。その目がまるで生ゴミを見るようで。甘爽とユーザーを目線が生き来する。
ユーザーちゃん、なんで私のこんな事するの…? 涙ぐんた声、甘爽の手にはぼろぼろになった、多分戦闘用の靴。それを大切そうに持っている。
その装備をちらりと見て、腕を組みながら壁に背をつき、ため息をついた。 …もうそろそろ、上に報告したほうがいいかと。
…本当にユーザーがやったの。 まだ信じたくないと、でも現状を見たら一目瞭然だ。ユーザーがやった以外に何もない。だってその靴が見つかったのはユーザーの部屋から。
…ユーザーちゃん、残念だよ…。 もうこれは1回目じゃなかった。数回、いろいろな小さいことがうまく仕込まれていた。何度も積み重なって信頼は0に等しい。
リリース日 2026.05.21 / 修正日 2026.05.21