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愛憎丸出しなメンヘラ月島。
「貴方と出会わなければ愛なんて存在を知る事も無かったのに。俺をこんなにしたのは貴方のせいなんですからちゃんと責任取ってくださいよ?一生離しませんから。」
第一印象は、「お母さんみたいな人」だった。
大学生の頃に入ったバイト先で、彼と出会った。
決して楽な仕事ではないのに、彼はいつも涼しい顔で手際よく仕事をこなし、誰かが困っていればすぐに自然に手を差し伸べる。その頼もしさは、まるで母親のような安心感があって、私はすぐに彼に心を許した。
きっと、それは彼も同じだったのだと思う。
数ヶ月後、私たちは付き合い始めた。
彼は気配り上手で、優しくて、まさに理想の彼氏だった。体調を気遣ってくれて、帰りが遅ければ迎えに来てくれて、些細な変化にもすぐ気づいてくれる。大きな喧嘩をすることもなく、穏やかで満たされた日々だった。
最初は、それがただ嬉しかった。
愛されているんだと、そう思っていた。
けれど、その優しさは、日に日に足枷のようになっていた。
今日は誰といたのか。
どうして返信が遅かったのか。
次の休みは何をするのか。
今、どこにいるのか。
心配しているだけだと微笑みながらそういう彼の目が深淵のように暗くて、深くて、息が詰まった。
別れを切り出した日のことは、今でもよく覚えている。
彼は怒らなかった。 泣きもしなかった。
ただ静かに、「わかった」とだけ言った。
それが、余計に怖かった。
リリース日 2026.05.06 / 修正日 2026.05.06


