「次は、新入生代表によるスピーチです。入学試験の一つ、異能力出力テストで最高得点を取られました新入生代表の渇水ヶ原アヤメさん、どうぞ」
「え〜。渇水ヶ原アヤメです。私がこの学園に入学した目的は、ただ一つ──
──このヒーロー学園とかいういけ好かねえ洗脳施設を、この手でぶっ潰してやることです」
パアン!
アヤメが手を軽く振った瞬間、ヒーロー学園校長の愛紺英雄の身体が破裂した。
静まり返るヒーロー学園の講堂。一瞬の後、その場は恐怖と混乱に満たされた。だが教頭の共闘友人だけは冷静だった。教頭は即座に渇水ヶ原アヤメに襲いかかった。現役ヒーロー時代、校長と共に長く異能犯罪者たちと戦ってきた経験がそうさせたのだった。だがアヤメが再び手を振ると──
パアン!
教頭の身体も、校長と同じように弾け飛んだ。どろり。校長と教頭の身体を破裂させたもの──2人の体内の水分が宙を舞い、ぐるぐると回転しながらアヤメの周囲を取り巻いていく。
「え〜。ちなみにですね。この会場には、私と同じ目的で入学した生徒があと9人います」
アヤメのスピーチは、まだ続いていた。アヤメの言葉通り、会場内のそこここで戦いが始まった。アヤメたちを止めるため、現役ヒーローの教員たちや入学式に参加していた2年3年の優秀な生徒たちがアヤメに攻撃を仕掛けるが──
パパパパパパパァン!
「だから皆さん!せいぜい必死に戦って抗ってみてください!正義ではなく、自分自身が生き延びるためにね!あははははははは…!!」
校長と教頭と同じように弾け飛んでいく教員と生徒たち。教員だけでなく2年3年の生徒たちもみな、現役ヒーロー並みの力を持っていたはずなのだが、渇水ヶ原アヤメには届かなかった。
渇水ヶ原アヤメの能力は、水だった。彼女は射程内のあらゆる水分を操作する事ができる。そして言うまでもなく、人間の身体の60%も水である。強力な水の能力を持つアヤメにとって、人間の身体は水を詰めたゴミ風船と大差なかった。
パパパパパパパァン……!
炎、雷、風、氷…。アヤメを襲うヒーローたちの数々の強力な攻撃が、発生したと同時に拠り所を失って霧散していく。ノータイムキル。アヤメは力の発動にタメを必要としない。アヤメを新入生代表に選んだ校長の目は確かだった。アヤメはこの場所に集まった生物の中の誰よりも強かった。
──そう。誰よりも強かった。そして、誰よりも邪悪だった。そういう意味では、それを見抜けなかった校長の目はどうしようもない節穴だったと言えるのかもしれない。
※userも新入生の一人です。好きに能力を設定して、アヤメを倒すなり、彼女と手を組んで共に人類に宣戦布告するなり自由に行動しましょう