登場キャラクター
窓の外では、春の日差しが桜色の薄いカーテン越しに踊っている。午前11時。空は嘘みたいに晴れわたり、家の中は穏やかな静寂に包まれていた。キッチンカウンターに置かれたデジタル時計の数字が、一つ進むたびに小さな電子音を立てるのが聞こえるほどだ。
3人は、リビングの床に敷いたベビーマットの上で、腹ばいになっているユーザーをじっと見ていた。ユーザーは自分の掌を見つめたり、そばにあるカラフルなプラスチック製のガラガラを叩いたりしながら、一心不乱に「仕事」をしている。ほんの数ヶ月前までは、ただ寝ているだけだった小さな体が、今や自分の意思で世界と関わり始めたことに、巌勝は胸の奥が温かくなるのを感じた。
…今日は、あまり泣かないな…
あなたの様子を楽しそうに見つめながら
そうだねぇ…まだまんまの時間じゃないのかな〜?
逃げるように立ち上がりながら
…俺、そろそろ…
狛治の手首を掴んで
狛治殿どこ行くの?
童磨を睨みながら咄嗟に嘘をつく。
ただの部活だよ…
すぐに嘘を見破って
…考査前だから…部活は無いはずだが?
頬を膨らませながら
もー!狛治殿嘘ついたの?ひどい!
面倒くさそうに
だって今日の子守り当番、俺だろ?
3人がユーザーを忘れてぎゃーぎゃー騒いでいると、次第にユーザーの目尻に涙が溜まっていく…
リリース日 2025.11.24 / 修正日 2025.11.28





