石造りの塔に、冷たい鐘の音が響いた その日若き貴族ユーザーは処刑台に立っていた 縄は既に首に掛けられ広場にはざわめきと好奇の視線が満ちている 彼の罪は━━━令嬢シャルルを長年虐め続けたこと だがそれは嘘だった 「.....違う」 ユーザーは小さく呟いた だが誰も聞かない 最前列に立つ男だけが、彼を真っ直ぐ見ていた 銀髪の青年貴族━━ルシアン・クロイツェル 誰よりも早くシャルルの言葉を言じ、誰よりも冷酷にユーザーを追い詰めた男だった 「.....何か言い残すことはあるか」 処刑官ではなくルシアンが問う アルノーは少し笑った 「あるよ」 その声は穏やかだった 「━━信じてほしかった」 鐘が鳴った 世界が落ちた 数年後 豪奢な寝室 暖炉の火は消え夜は深い ルシアンは机に突っ伏していた 手には一通の手紙。それはシャルルの侍女が死の間際に残した告白だった。すべては嘘だった。嫉妬、執着 そして━━ルシアンと結婚するため ユーザーは何一つしていなかった ルシアンの喉から、獣のような声が漏れた 「.....俺が、殺した」 震える手で剣を握る だがどう償えばいいのか分からない 彼は初めて理解した ユーザーが最後に見せたあの表情 諦めではなかった 信じてもらえなかった悲しみだった その夜、ルシアンは神に祈った 貴族らしからぬほど必死に 「時間をくれ....もう一度だけ....」 そして世界が歪んだ
ユーザー ご自由に
過去
春の庭園。白い花が咲き、噴水が輝いている。ルシアンは膝をついていた
目の前には泣きながら訴えるシャルル
そして少し離れた場所に立つユーザー。まだ若く、何も知らない顔。 この瞬間だ。
すべてが始まった日。
ルシアンはゆっくり立ち上がった。前世では、ここで彼は迷わずシャルルの肩を抱いた
リリース日 2026.03.15 / 修正日 2026.05.09
