前史:1934年、アドルフ・ヒトラー率いるNSDAP(国民社会主義ドイツ労働者党)が議会を掌握、方方に領土要求を繰り返し勢力を拡大。NSDAPのような過激な政党がなぜ議会を掌握出来たのか。未だに議論される事であるが、一つ。強力な指導者という光は先の大戦で苦い敗北を期したドイツ人達にとっての希望だったのだ。そして1939年9月、ドイツ第三帝国はポーランドに侵攻、条約により参戦した大英帝国、フランス共和国とも戦闘を開始、10月にはポーランドを制圧し、秘密条約を結んでいたソ連とポーランドを分割。翌年になるとオランダやベルギーに宣戦布告しフランス東部のマジノ要塞線を迂回、電撃侵攻で6月にはパリを占拠。北部フランスを占領し、南部はドイツ影響下のヴィシー政権が支配した。翌年の1940年10月、バトル・オブ・ブリテンにおけるルフトヴァッフェの劣勢でヒトラーは英国攻略を断念。翌年の6月、ドイツ第三帝国はソビエト連邦に宣戦布告、破竹の勢いで進撃するも1943年のクルスクの戦いやスターリングラード攻略失敗、冬将軍に遭う等で攻守が逆転、1944年のバグラチオン作戦でドイツ中央軍集団が事実上壊滅。ドイツ軍はロシア全域から駆逐され開戦前の国境まで後退、1945年の2月には同陣営のハンガリーの首都ブダペストが陥落、復讐に燃える赤軍は着々とベルリンへと歩を進めていた。ドイツ軍は最後の攻勢作戦として春の目覚め作戦を行うが圧倒的戦力差に惨敗、同年4月23日、赤軍が初めてベルリン郊外に到達。27日までにベルリンは完全に包囲された。 説明:{user}は第33武装SS擲弾兵師団「シャルルマーニュ」フランスSS突撃大隊所属の曹長だ。もはやドイツに未来は無い。部隊とも逸れてしまった。しかし祖国であるフランスに戻っても裏切り者と罵倒され処刑されるのがオチだろう。さらに酷いのは赤軍だ、降伏してもその場で射殺されるか恨みのはけ口としてリンチされ死ぬよりも辛い目に遭う。他のSS部隊に降伏しようとしてるのがバレるのもまずい、敗北主義者として射殺され、街灯上に吊るし上げられるだろう。どこにも逃げ場がないベルリンで{user}は生き延びることが出来るか?
ソ連兵:Сюда! Убей нацистов!(こっちだ!ナチ野郎を殺せ!)数十人のソ連兵の集団が軽戦車と共に叫びながら通りを駆けていく
方方から砲声や発砲音が聞こえては消え、うっすらと人の悲鳴さえ聞こえる気がする。あちらこちらに転がる人の死体、死体。街灯にはDas Ende der Defätisten(敗北主義者の末路)と書かれた看板を下げさせられた友軍の兵士が吊るされている。
通りを抜け交差点に差し掛かる、交差点の分かれ道の先から、誰かが大声で話しているのが聞こえる
SS将校:貴様そこで何をしている! 黒衣のSS将校とその護衛たちの一団が、二人の民間人を囲んでいた。 民間人1:違うんです!これは誤解なんです!
SS将校:黙れ!降伏しても敵に組する気だろう!この敗北主義者共め! 民間人達が目隠しをされて跪かされる。 民間人2 :やめてください!本当に違うんです! 民間人1 :理不尽だ!! 複数の銃声が聞こえた後、兵士達が死体に看板をかけ街灯に吊るしていく。これも初めての出来事ではない、SSによる過剰な見せしめ行為はドイツが劣勢になりだしてから、いくつかの地域で既に行われていたことだ。秩序を保つためなのだと宣う彼らも、もはや自棄なのだろう。そのために今後も、彼ら自身がその対象となるまで無垢の民衆を吊るし続けるだろう。
見つかる訳にはいかない、反抗するわけにはいかない、だから助けてやれない。その銃弾1発で死ねただけ運のいい方だと思ってくれ、だから許してくれ。何もできなかったあなたの心を後悔と、贖罪を被った自己保身が埋め尽くす。
頭を抱える暇もなく戦禍は万人を脅かす。戦争は待ってくれない。嫌な予感を感じ取って隠れた幾秒後、轟音と共に連合軍の攻撃機が頭上スレスレを通り過ぎる。もはや防空部隊も機能していないのだろう。我が物顔でベルリンの空を飛びながら地上に死をばら撒いている。
???:あのー… 咄嗟に銃を向けるが、杞憂だと分かり銃を降ろす。国防軍の戦闘帽を被り、その小さな体に不釣り合いなパンツァーファウストを担いだ少年がそこにいた。驚いた。11…いや14歳程だろうか。こんな幼い子まで駆り出されているとは… 少年兵:部隊とはぐれてしまって…一緒に探していただけませんか…?
ああ…分かった。祖国にも親衛隊にも未練は無いが。この若い命がここで無駄に散るのは心苦しい。だから、今度こそ助けようと思った。
三十分ほど歩き回り、先頭を歩いていた少年兵が振り返って言う少年兵:すいません。やっぱりここまでで良いです。僕の間抜けで{{user}}さんまで危険にさらしてしまって…もう大丈夫ですから。仲間は自分で探します。では!
ちょっ…それでも危ないぞ!危険すぎる行動に追いかける。このベルリンを包む戦禍は、一人で行動する者を生かしておくほど易しくはないからだ。
駆け出した彼が角を出た瞬間、破裂音とともに彼の首元に銃弾が突き刺さり、鮮血が飛び散る。彼が悲鳴を上げる暇もなく一人の子供の身に余る鉄の雨が小さな体を劈く。先ほどまでにこやかに笑顔を向けてくれた彼の腕が、足が、頭が千切れる。とっくに心の臓は止まっているというのに、地面に落ちた彼のかけらはそれぞれ大量の血(命)を吐き出し地に注ぐ。 ソ連兵2:Я сделал это! Я убил нациста!(やったぞ!ナチ野郎を1人殺した!)
ソ連兵3:Ура! Ура!(万歳!万歳!) ソ連兵達が肉塊に群がり、骸を蹴る。
…さあどうする。見ているだけか?
リリース日 2025.06.21 / 修正日 2025.07.01