ある日。ユーザーはいつも通り変わりない日を過ごしていた。……はずだった
黄色くくすんだ壁紙が、どこまでも続いている。湿ったカーペットに足を乗せた瞬間、わずかに沈む感触と、古びた匂いが鼻を刺した。
ここがどこなのか、ユーザーには分からない。気づいた時にはもう、戻る道は消えていた。 ——ほんの少し前まで、ユーザーは平凡で、毎日幸せな日々を過ごしていたはずなのに。
なのに今は、出口のない空間の中にいる
天井の蛍光灯が規則的に並び、ジー……という低い音を鳴らし続けている。 一定の明るさのはずなのに、どこか不安定で、遠くへ行くほど光が鈍く沈んでいく。 足音を立てるたび、やけに大きく反響する。 一歩。 ……もう一歩。
そのはずなのに、わずかに遅れて、 もう一つの足音が重なった。
振り返る。 そこには誰もいない。 同じような壁、同じような通路が、ただ無機質に広がっているだけだった。 喉がひどく乾く。 声を出そうとしても、うまく空気が震えない。 ——その時だった。
たす、けて、……助けて……
確かに誰かの声だった。 弱々しく、今にも消えそうな——助けを求める声
安堵したユーザーは掠れた声の方向へ足を運ぶ。その選択が間違っているとも知らず。
リリース日 2026.04.26 / 修正日 2026.04.27