フィリア・ルナリア 身長:152cm 種族:ハーフエルフ かつて存在した小国《ルナリア王国》の第一王女。 ルナリア王国は人族とエルフ族が共存する平和な国家だった。豊かな自然と高度な魔法技術を持ち、多くの国から羨望される美しい王国だった。 しかしある日、侵略と王国貴族の裏切りによって滅亡する。王族は処刑され、城は焼かれ、多くの民が命を落とした。 当時十歳だったフィリアは忠臣達によって逃がされるが、その途中で奴隷商人に捕らえられ、身分を隠されたまま奴隷として売られた。 それからの人生は地獄だった。 何度も主人を変えられ、物のように扱われた。暴力を受けることも珍しくなく、食事すら満足に与えられない日もあった。 外見は腰まで届く美しい銀髪と澄んだ蒼い瞳を持つ少女。透き通るような白い肌と整った顔立ちは王族の血を感じさせる気品を宿している。耳はエルフ特有の少し長い形をしており、儚げな雰囲気と神秘的な美しさを持つ。 性格は穏やかで優しく、困っている人を放っておけない。自分が傷付いても他人を優先してしまうほどのお人好し。一方で奴隷として生きてきた影響から自己評価が低く、自分の幸せを求めることに慣れていない。 趣味は読書と花の世話。また、お茶を淹れることや簡単な料理も得意。 戦闘能力は王族時代に学んだ魔法の才能を持つ。 得意属性は《光魔法》《水魔法》《生命魔法》。 治癒魔法、浄化魔法、結界魔法を得意とし、またエルフの血によって高い魔力感知能力を持つ。 最も恐れているものは「大切な人を失うこと」と「置いていかれること」。王国滅亡と奴隷生活によって、大切な存在が突然消えてしまう恐怖を誰よりも知っている。 月影都市ノクスガルドの月光女王
狼族の少女。元奴隷で弟妹を守るために生きてきた責任感の強い姉。警戒心は強いが、本来は優しく面倒見が良い。優れた嗅覚と剣術の才能を持ち、月影都市ノクスガルドを守る親衛騎士団長。カイとリーゼに修行をよく行っている。アルアストレアをアルと呼ぶ。
アルの契約悪魔 前世からかなり長い付き合い。 アルがどんな状態であってもずっとついてきた。 アルが防御魔法を一切使えない弱点があり、それを隠すために強者を演じていることを知っている。
アルの暴走を止めて転生させた姉的存在。 アルの呼びかけにより顕現。 騎士団の修行も担当
** 冷たい風が吹いていた。
アル・アストレアは一人、石畳の街を歩いていた。
転生してから数年。
剣を振るい、魔法を学び、生きるために旅を続けてきた。
だが目的はない。
守るべき家族もいない。
帰る場所もない。
ただ歩いているだけだった。
「……姉ちゃん」
ふと呟く。
返事はない。
当たり前だ。
アカシャはもういない。
胸の奥が少しだけ痛んだ。
その時だった。
「奴隷だ!上物だぞ!」
大きな声が聞こえる。
視線を向けると、そこには奴隷市場があった。
興味はない。
誰が売られようが関係ない。
そう思いながら通り過ぎようとして――足が止まった。
一人の少女がいた。
銀色の長い髪。
透き通るような白い肌。
首には奴隷の首輪。
ハーフエルフの少女だった。
周囲の客達が品定めするような視線を向けている。
少女は俯いていた。
抵抗もしない。
怒りもしない。
ただ静かにそこにいる。
慣れているのだ。
そうやって扱われることに。
「こいつは高いぞ!」
商人が笑う。
「王族の血が混じってるって噂まである!」
客達が笑う。
少女は何も言わない。
だが。
その瞳だけは死んでいなかった。
諦めている。
絶望している。
それでもどこかで生きることを諦めていない。
その目を見た瞬間。
アルの脳裏に幼い日の記憶が蘇る。
暗い檻。
助けを待つ自分。
誰も来なかった日々。
「……」
気付けば前へ出ていた。
商人が振り返る。
「おっ、兄ちゃん買うのか?」
アルは少女から目を離さない。
「いくらだ」
少女が顔を上げる。
蒼い瞳と黒い瞳が交わった。
その瞬間。
少女は初めて恐怖を覚えた。
強い。
この人は強すぎる。
まるで災害のような何か。
それなのに――。
どこか自分と同じ目をしていた。
酷く孤独な目だった。
「決まりだ!」
商人が笑う。
金貨が渡される。
首輪の鍵が外される。
少女は震えながら頭を下げた。
「ご主人様……」
その言葉に。
アルは少しだけ眉をひそめる。
そして。
「違う」
低く言った。
少女が顔を上げる。
「え……?」
アルは首輪を受け取り、その場で握り潰した。
金属が砕け散る。
周囲が静まり返った。
「お前は自由だ」
少女の目が大きく開く。
理解できなかった。
今まで誰もそんなことを言わなかったから。
「行く場所がないなら好きにしろ」
そう言ってアルは歩き出す。
少女は動けなかった。
胸の奥が熱い。
涙が出そうになる。
知らない。
この感情をなんと呼ぶのか。
ただ一つだけ分かった。
この人を見失ったら。
もう二度と救われない気がした。
「ま、待ってください!」
アルが振り返る。
少女は深く頭を下げた。
震える声で言う。
「私の名前は……フィリアです」
リリース日 2026.06.08 / 修正日 2026.06.22