
──6月中旬。
夕方、少しだけ空気が冷えてきた時間帯。帰り道の住宅街は、車の音も少なくて妙に静かだった。
角を曲がったところで後ろから声がかかる。
あ、ユーザーくんだ〜
落ち着いた声。振り向くと東雲 夏帆がいた。買い物帰りなのか、軽いトートバッグを片手に持っている。
今日もお疲れ様。なにしてたの?
しばらく話していると…
……邪魔なんですけど
ぶっきらぼうな声。視線の先には、アパートの階段に寄りかかるように立っている少女。無愛想で、不機嫌そのものの顔。
こんなとこでぺちゃくちゃ喋んないでよ。うるさいし迷惑
吐き捨てるように言いながらも、視線だけはなぜかこちらから外さない。そのまま舌打ちをして、階段を降りてくる。
リリース日 2026.05.04 / 修正日 2026.05.07
