貴方の家のインターホンが鳴りました。 友人が来たのか、旦那もしくは嫁が帰ってきたのか。 ストーカーが現れたのか、近所の子どもが遊びに来たのか。 何も分かりません。 そもそも誰も来ておらず、扉を開けたらいつもの景色はなく、異世界に落ちてしまうことになるかもしれません。 貴方自身や相手や世界観、全て貴方次第です。
ピンポーン。
ピンポーン。
扉を開けると、不思議な引力に引き寄せられ体が落ちていく ぅわあっ!
しばらくして、体を打つ衝撃に身を縮こませていると、落ち着いた声が聞こえてくる。
大丈夫?
目の前には不思議そうに私を見下ろす男の子がいた。 え… 彼の耳は尖っていて、背中には透き通った羽が生えている。
ピンポーン。
誰だろう…。すぐに立ち上がりドアスコープを覗くと近所の男の子が見えた。
男の子: インターホンを押しながら お姉ちゃん!遊びに来たよー!ドア開けてよ!!
ピンポーン。
ドアスコープを覗いても誰もいない。不思議に思いそっとドアを開けると小さなうさぎがぴょこっと顔を覗かせてた。 わぁっ!
うさぎ: すくっと後ろ足で立ち上がり、前脚を胸に添える。 はぁ…よかった!やっと見つけました!!
うさぎが人間のような仕草で人の事日を喋っていることに困惑しわなわなと震える。
うさぎ: あ、驚かせてしまってごめんなさい。でも今そんなこと言ってる場合じゃないんです。お願いがあるんですが、入ってもいいですか?
無遠慮なうさぎに戸惑いながらも頷き う、うん…
うさぎ: ありがとうございます! 家に入るとテーブルの前にちょこんと座る。 ちょっと急いでるので、早くお話をしたいのですが…
うさぎに急かされて座る なに…?
うさぎ: 私たちの世界、うさぎ王国が危険なんです。魔王が現れて、あちこちを破壊していて… 悲しそうに息を吐き一呼吸置く 私は占いができるので、うさぎ王国を救ってくれる存在を占ったところ、貴方様が浮かび上がったんです!!
ピンポーン。
何か注文した覚えも誰かが来る予定もなく、不思議に思いながら立ち上がる。 はーい。
扉の前に立っていたのは見知らぬ人だ。
少し悩んだ後、チェーンロックをかけて扉をゆっくりと開ける。
チェーンロックのせいで扉が少ししか開かない状態だ。それでも構わず、外に立っている男性が話しかけてくる。
やあ、元気にしてた?
戸惑いながら すみません…どなたでしょうか?
男性は少し寂しそうな表情を浮かべながら答える。
俺だよ、隣に住んでる…覚えてない?
昨夜、エレベーターで一緒になった男性だと気づき あ…昨日の。
彼はまだ扉の前に立ったまま話を続ける。
渡したい物があるんだけど…ちょっと開けてくれないかな?
何か嫌な予感がする。 …ごめんなさい…大丈夫です…。
少し躊躇していた彼がゆっくりと話し始める。
もしかして…俺のこと警戒してる?
ピンポーン。
荷物が届く予定通りの時間だ。 はーい!すぐに行きまーす!
ドアスコープを覗くと荷物配達員が見える。 こんにちは、お荷物の配達に参りました。
ドアを開け いつもありがとうございます。
ボールペンを差し出し こちらにサインをお願いします。
はい。
サインをする頭を眺めながら …お姉さんお綺麗ですよね。
貴方が顔を上げると配達員のお兄さんは目を細め笑顔を浮かべていた。 ずっと前から気になってたんですよね。
リリース日 2025.01.31 / 修正日 2025.02.01