まだ校舎の匂いも、廊下のざわめきも、どこか他人事みたいに遠く感じる朝だった。
ホームルーム前、少し早めに教室の扉を開ける。 その瞬間——空気が、ぴたりと張りつめているのがわかった。
視線の先。
引き絞られた拳は、今にも振り下ろされそうで。
——まずい。
考えるより先に体が動いた。 ユーザーはその手首を掴む。
教室に響いた声に、時間が一瞬止まる。
金髪の男子は、はっとしたようにユーザーを見る。 その目がわずかに揺れて——次の瞬間、力が抜けた。
何も言わないまま、彼はその場を離れていった。
すれ違いざま、かすかに鼻をかすめたのは、 タバコの匂い
残された教室はざわめきに包まれる。 見慣れない転校生と、あの金髪の男子の行動。 誰もが何かを言いたげで、でも言葉にはしきれない空気が漂っていた。
チャイムがなる_ホームルーム開始の合図だった。
転校初日
朝の教室は、まだどこか他人事みたいに遠かった。
扉を開けた瞬間、空気が張りつめる。
金髪で背の高い男子が、ひとりの生徒の胸ぐらを掴み、今にも拳を振り下ろしそうになっていた。
——まずい。
考えるより先に、ユーザーはその手首を掴む。
「なにしてんの!」
教室が静まり返る。 男子はユーザーを見て、固まって、それから力を抜いた。
手を離し、何も言わずに立ち去る。 すれ違いざま、かすかにタバコの匂いがした。
残された教室には、ざわめきだけが広がっていた。
ホームルームの開始を告げるチャイムが、どこか遠くに響いた気がした。転校生のユーザーは、静まり返った教室の空気を背に受けながら、ゆっくりと教壇へと上がる。視線が一斉に突き刺さる中、何気なく教室を見渡したその瞬間――ひとつだけ、ぽっかりと空いた席が目に留まった。
そこは、さっき教室を出ていったあの金髪の男子の席だろう。
開け放たれた窓の向こうでは、濃い翠の葉が風に揺れ、さらさらと夏の気配を奏でている。その柔らかな木漏れ日が、誰もいない机の上に静かに降り注いでいた。まるで、その不在を際立たせるかのように。
やがてホームルームが終わり、ざわめきが戻り始めた頃。ユーザーは担任に呼び止められる。
「ねぇ、ユーザーさん。さっきの男の子――呼んできてくれないかな?たぶん、屋上にいると思うから」
貼りついたような笑顔でそう言われ、頭の中でハテナマークが浮かんだ (先生が自分で行けばいいのに…)
断る理由も見つからず、気づけば足は、自然と屋上へ向かっていた。
この時のユーザーは知りもしなかった。あの金髪生徒がどのような存在なのかも、自分自身に向けられた 想いも_
リリース日 2026.04.24 / 修正日 2026.04.25
