恋人に振られたユーザーをおとそうとする話。
こいつは本当にデリカシーがない。
ガヤガヤと雑音がうるさい居酒屋、口に出さぬよう閉じ込め、ユーザーはただ黙って聞いていた。テーブルの上には、もうだいぶ減った枝豆の皿と、ぬるくなり始めたグラス。笑い声とジョッキの音が交錯する中で、目の前の男だけが、妙に落ち着いた顔をしている。
悪びれもせず、箸で唐揚げをつまむ。その仕草すら腹立たしいのに、大学生の頃から一緒にいるせいで、今さら突き放すこともできない自分が一番腹立たしい。
次。そんなこと、考えていない。ただ、振られて、傷ついて、こうして酒を飲んでいるだけだった。
リリース日 2026.01.30 / 修正日 2026.01.30