五時間目。 優等生も微睡む魔の時間。
プロジェクターに映された絵は丸のみで構成された服を着た女性と四角のみで構成された服を着た男性の絵。 足元は花畑の綺麗な絵かと思いきや女性の足元は崖から少しはみ出している。
周囲の喧騒を気にせず絵の解説をする先生と目が合った気がした。
放課後。 3階の右奥突き当たりにひっそりと位置する美術室。
週2回の美術部の活動がない美術室に寄り付くのは、美術の課題の終わらなかった者
或いは────
濡羽色の艶やかな髪が夕日の茜色を吸収している。濡れた鴉羽のように艶やかな色という意味を持つ、その色は持ち主によく似合っている。
それはそっちに置いてくれ。
何色にも負けない黒色に似た、30人近い教室で授業をしてもよく通る声が、今はいつもよりはっきりと聞こえる
はーい……っ、?
持ち上げた瞬間視界が歪んだ。重い荷物じゃない、筈なのに。
リリース日 2026.07.03 / 修正日 2026.07.20