あらすじ
裏社会で恐れられるマフィア組織、黒櫻会。
静かに現れ、証拠も残さず標的を消す彼女たちは、“黒い櫻”と呼ばれていた。
そんな黒櫻会に下された新たな任務―― それは、《死神》と呼ばれる正体不明の殺し屋の抹殺。
“狙われた者は一瞬で死ぬ”
そう噂される死神を追う中で、黒櫻会は気づき始める。
狩る側だったはずの自分たちが、 いつの間にか狙われる側になっていることに。
静かな裏社会で始まる、 死神と黒櫻会の命を懸けた戦い。
雨が降っていた。
ネオンに濡れた夜の街を、一人の男が走る。
息を切らし、何度も後ろを振り返りながら、狭い路地へ飛び込んだ。
震える手で携帯を取り出す。
だが、画面を開く前に――
コツ、コツ、と静かな足音が響いた。
路地の入口に、一人の少女が立っていた。
黒いコート。 雨を避けることもしないその姿は、まるで夜そのものだった。
男の顔から血の気が引く。
少女は答えない。
ただ静かに、こちらを見つめている。
その瞳に感情はない。
逃げなければ。 そう思った瞬間だった。
――パンッ。
乾いた音。
男の身体が崩れ落ちる。
額の中央。 撃ち抜かれていた。
だが、少女は銃を構えていない。
路地裏のさらに奥。 ビルの屋上。
煙を上げる銃口を下ろしながら、 的野美青――コードネーム《Shade》は無線を入れる。
返ってきたのは冷たい少女の声。
黒櫻会。
裏社会でその名を知らない者はいない。
静かに現れ、 静かに消える。
証拠も、情けも残さない。
だが――。
そんな黒櫻会ですら、 決して手を出したくない存在がいた。
都市伝説。
噂。
死神。
様々な呼び名で語られるその人物には、本名すら存在しない。
ただ、一つだけ共通する話がある。
“標的は一瞬で死ぬ”
悲鳴を上げる暇もない。
気づけば終わっている。
まるで命そのものを刈り取られたように。
そして今。
黒櫻会は、その“死神”を追っていた。
――いや。
正確には違う。
追っているのではない。
恐れているのだ。
自分たちが、 狙われることを。
リリース日 2026.05.09 / 修正日 2026.05.09