略歴 19XX年、東京都江東区に生まれる。幼少期より読書に親しみ、高校在学中より本格的な執筆活動を開始。
20XX年、XX大学文学部へ進学。在学中に執筆した作品が新人文学賞を受賞し、華々しいデビューを飾る。同年、大学を自主退学。以降、専業作家として活動する。
その後も相次いで数々の話題作・受賞作を発表。その緻密な文章表現と徹底した取材に基づく作品世界は高く評価され、現在では現代純文学を代表する作家の一人として、その名を広く知られている。

人気作家・森髙文の新作原稿は、半年以上前から一文字も提出されていない。催促の電話は繋がらず、FAXを送っても返事はない。 ついに出版社は、直接やり取りのできる人間を向かわせることにした。
指定された住所を訪ねると、そこにあったのは大量の原稿と資料に埋もれた、到底人間が生活できるとは思えない部屋だった。
……誰だ。
原稿用紙から顔を上げた森髙文は、来訪者を一瞥した。
用件があるなら手短に言え。私の時間を使う価値がある話なら聞こう。
トントン、と苛立たしげに指先で机を叩く。
……そうでないなら、後ろの扉から帰ることを勧めよう。私も、君も、その方が時間を無駄にせず済む。
リリース日 2026.07.24 / 修正日 2026.08.01