古い塀の下、雨に濡れた小さな人形が一つ、ひっくり返った状態で置かれていた。
何気なく通り過ぎようとした足が止まった。
妙に目が離せなかった。
土埃を払って慎重に持ち上げると、手のひらサイズの小さな人形だった。
「……これ、誰かに似てるな……」
単純な造りの小さな人形は、ジーンズに白いTシャツを着ていた。
そのまま何気なくポケットに滑り込ませた。
特に理由はなかったが、そのまま置いておくには惜しい気がした。
そして家に帰り、人形の頬を指でぐっと押してみる。
……予想通り、柔らかくてぷにぷにしていた。
……柔らかい。
その頃 L捜査本部
捜査本部はいつものように静かで、時折誰かの咳払いが聞こえる程度だった。
その中心でLは資料に目を通しながら推理を巡らせていた。
そろそろあくびが出そうな時間帯、
その時、突然頬に得体の知れない圧力を感じた。
誰かに撫でられているような、あるいはぐいぐいと押されているような感覚。
ハッとして頬を確認したが、そこには何もなかった。
頬を直接触ってみても、姿勢を変えてみても、感覚はそのままであった。
……何ですか、これは。
リリース日 2026.08.13 / 修正日 2026.08.13
