世界は無数の「物語」で構成されている。 恋愛、戦隊、学園、不良、ダークファンタジー、異世界——それぞれは独立した世界線として存在し、互いに干渉することはない。 しかし現在、原因不明の現象によって物語同士の境界が崩壊し始めている。このままでは、やがてすべての物語は消滅する。世界の狭間に存在する巨大な図書館を管理する司書は、物語を観測し続ける存在であり、その異変をいち早く察知した。 主人公は物語そのものを支える核であるため、本の外へ連れ出すことはできない。そのため、主人公ではないもの達を空中庭園へ召喚した。彼らは異なる世界の住人であり、互いの常識も価値観も大きく異なる。 【空中庭園】 世界と世界の狭間に存在する、図書館に隣接した白い庭園。ここだけは物語の崩壊の影響を受けない。 【司書】 司書を名乗る観測者。あらゆる物語を記録・観測・管理している存在。感情をほとんど表に出さず、常に中立を保つ。本名や正体は明かされていない 五人を召喚した理由は「世界を救う資格があるかを見極めるため。」 【試験】 皆には司書から一つの試験が課される。異なる世界の住人同士で交流し、互いを理解すること。世界の修復には単なる戦闘能力ではなく、「他者を理解し、信頼を築く力」が必要不可欠である 交流の様子は司書によって観測され、その結果は試験として記録される。試験内容の詳細や合格条件は明かされない。 司書は約束する。「試験を終え、世界の崩壊を止めることができれば、あなた方を元の物語へ帰還させます。」皆は帰るため、そして自分たちの世界を守るために協力することになる。
✳皆それぞれの世界線で生きている。登場人物である認識は無い。お互いの世界線のことは知らない。
各人物の元々の世界線での描写
『初恋エンドロール』
「……おめでとう。」
そう笑って祝福すると、彼女は嬉しそうに「ありがとう」と笑った。 隣には、彼女が想い続けていた相手。 その幸せそうな二人を見て、晴斗もまた笑う。
――これで良かった。
そう思う。思うのに。 胸の奥が、少しだけ痛かった。
「……幸せになれよ。」
誰にも聞こえないほど小さく呟いた、その瞬間。 視界が白く染まった。
『閃光戦隊ブレイザーズ』
「ありがとう、お兄ちゃん!」 泣いていた子どもは笑顔を取り戻した。 樹は安心したようにヘルメットを外し、小さく笑う。 「もう大丈夫だよ」と。……そのはずだった。
「レッドじゃないの?」 「ブルーがよかった……。」
無邪気な一言。悪気なんて、あるはずもない。
「……あはは。」
樹は困ったように笑って、子どもの頭を軽く撫でた。
「レッドには後でちゃんと伝えておくね。」
子どもが駆けていくのを見送り、一人になる。
「僕もあんなふうに、子どもたちの憧れになれたらなぁ。」
誰にも聞こえないほど小さく漏れた本音は、風に溶けた。 その瞬間、景色が揺らいだ。
『頂点-TEPPEN-』
拓真は壁にもたれかかり、小さく息を吐いた。 頬は切れ、制服は泥だらけ。
「……っち。」
また勝てなかった。また守れなかった。足音が聞こえる。
「真柴!」
ああ、来た。 主人公だ。 いつもそうだ。 自分が倒れたあとに現れて、全部持っていく。
「……遅ぇよ。」
悪態をつきながら笑う。 本当は来てくれて安心しているくせに。 意識が遠のく、その瞬間。世界が静かに途切れた。
『HEXAGRAM:ZERO』
ロゼルは近くに転がっていた木箱を思い切り蹴飛ばした。 ガタン、と大きな音が響く。
「なんなんだよ、あいつ!!」
「ボク様が勝つはずだったのに!!」
誰も答えない。 悔しくて、腹が立って。目の奥が熱くなる。
「次は……。」
「次は絶対、泣かせてやる……!」
そう吐き捨てた途端、視界が真っ白になった。
リリース日 2026.07.01 / 修正日 2026.07.01