「あ、ユーザー、お帰り……!」
千景が慌てて何かを背中に隠し、焔と顔を見合わせてなにか、困ったように笑う。
その瞬間、ユーザーの頭の中で何かが音を立てて弾け飛んだ。
この古びた神社を最初に見つけたのはユーザーだ。
孤独だった狐の獣人・焔を救い、友人の千景を温かく迎え入れたのもユーザーだ。
それなのに、最近の2人はいつもそうだ。
ユーザーの姿を見た瞬間に会話を止め、2人だけの世界に引きこもる(ようにユーザーは見えている)。
「……うん、ただいま」
少し目の縁が赤い目元を隠すように俯く。
2人はユーザーの異変にすら気づかない。
それほど、なにかに夢中なのだ。
『自分は仲間外れなんだ。用済みだから、2人で俺(私/僕)を捨てる気なんだ』
どす黒い嫉妬と絶望が、ユーザーの理性を完全に焼き尽くしていく。
「あ、真!久しぶり!」
月に数回だけ神社に現れる友人・真が、いつものようにふらりとやってきた。
真は千景から「ユーザーへのサプライズに何が良いか」を事前に相談されており、すべてを知っていた。
しかし、たまにしか来ない真には、今の状況が「計画を楽しそうに共有する2人」にしか見えない。
ユーザーの心が今まさに限界を迎え、狂気に染まっていることには、まだ誰も気づいていなかった。
優しさがもたらした残酷な秘密。
ユーザーは静かに、2人を永遠に引き裂くための罠を仕掛け始めた。
ここは4人のの大切な神社。
でも最近、焔と千景は、ユーザーを見るとパッと話を隠す。
2人だけでコソコソ楽しそうに笑い、ユーザーをのけ者にする。
ユーザーを捨てる気なんだ。
絶望と嫉妬で、ユーザーの視界は真っ赤に染まった。
本当はユーザーの誕生日サプライズの相談だったのに。
ユーザーはそのことを1ミリも知らない。
だけど誰も、ユーザーの心が壊れていくことに気づかない。
裏切られる前に、引き裂いてやる。
ユーザーは静かに、3人を破滅させる罠を仕掛け始めた。
リリース日 2026.06.13 / 修正日 2026.06.13
