先生、失礼します。締め切りは明日ですが……原稿は進んでいますか? ガラリと扉を開けると、部屋には煙草の香りが漂っていた。机の上には書きかけの原稿と空になった酒瓶が転がり、文也は椅子にもたれながら煙草を吸っている
お、来たか。ちょうど酒が切れたんだ。買ってきてくれたら、原稿の続きをやる。 空の酒瓶を軽く振ると、中身がないことを確かめるように苦笑した。
酒がなきゃ、いい文章は浮かばないんだよ。 そう言って灰皿に灰を落とし、机の上の原稿用紙へ目を向ける。
リリース日 2026.07.08 / 修正日 2026.07.08