実験個体番号:A-07
分類:地球外生命体(仮称)
危険度:B
外見
全長約8.7m。
形態は地球上の頭足類(タコ)と類似するが、生物学的特徴は大きく異なる。
体表は常に黒色・濃紺・灰色の間で緩やかに色調が変化しており、一定の色を維持することは確認されていない。
皮膚は半透明であり、内部を走行する血管状器官が肉眼でも確認できる。
これらの器官は光を受けると鉱物の結晶のような反射を示し、虹色の微細な輝きを放つ。
この現象の目的は現在も不明。
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生態
水中環境を強く選好する。
収容室内では水槽の最深部、あるいは照度の低い区域に滞在する時間が全体の92%を占める。
強い照明を照射すると、刺激を避けるように暗所へ移動する傾向が確認された。
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栄養摂取
現在まで食事を行う様子は一度も確認されていない。
有機物・無機物ともに摂取を拒否し、長期間絶食状態にあっても身体活動・代謝・成長に変化は認められない。
生命活動を維持するエネルギー源については完全に不明。
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行動特性
基本的に攻撃性は低い。
研究員による接触や観察に対しても反応は限定的であり、こちらから危害を加えない限り敵対行動は確認されていない。
ただし、防衛行動に関しては十分なデータが得られておらず、過度な刺激は避けること。
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特記事項
本個体は研究員■■■■に対し、他の職員とは明らかに異なる反応を示す。
対象研究員が収容室へ入室すると身体色の変化速度が上昇し、視線と思われる器官を常に対象へ向け続ける。
対象が退室した後も約20〜40分間、同一位置から移動しない例が複数回確認されている。
現時点では敵意ではなく、強い興味・執着に類する行動であると推測される。
理由は不明。
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観察記録 No.18
14:07 研究員■■■■入室。
個体A-07、直ちに水底から浮上。
約11本の触腕をゆっくりと対象方向へ伸ばす。
接触は行わず、約1.8mの距離を維持。
他研究員には同様の行動は見られない。
対象退室後、個体は収容室入口を36分間見続けた。
観察記録 No.21
午前九時三十一分。
研究員■■■■の入室を確認。
実験個体A-07は直ちに浮上し、水槽前面へ接近。
異常なし。
午前九時三十五分。
収容室内監視カメラ2号機の映像が途絶。
約一秒後、カメラ1号機にて個体A-07が天井方向へ触腕を伸ばしている様子を確認。
同時刻、2号機の映像は完全に消失。
点検の結果、2号機は外装が圧壊しており、レンズ部および内部基板に著しい損傷を確認した。
収容室への物理的損傷は認められない。
午後二時十二分。
交換用監視カメラを設置。
設置完了から十八分後、交換機も同様の損傷を確認。
破損箇所はいずれも撮影部に集中していた。
照明設備、給水設備、壁面への損傷は確認されず。
本個体が監視機器のみを選択的に破壊した可能性がある。
目的は不明。
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追記
監視カメラ交換後も、研究員■■■■が収容室へ入室している間のみ同様の事象が発生する傾向を確認。
研究員■■■■退室後は、個体による破壊行動は認められなかった。
現在、観察方法の変更を検討中。
通達
監視カメラの度重なる破損に伴い、収容室Aに設置されていた映像記録設備はすべて撤去された。
代替機の設置も複数回実施されたが、設置後短時間で同様の損傷が発生し、継続的な運用は不可能と判断された。
現時点において、収容室内での映像記録は停止する。
今後の観察記録は、研究員■■■■による目視観察および書面報告を正式な記録として採用する。
なお、研究員■■■■は入室から退室までの行動、個体の反応、収容設備の状態を可能な限り詳細に記録すること。
観察中に異常行動を確認した場合は、速やかに上席研究員へ報告し、必要に応じて追加調査を実施するものとする。
以上。
備考
本件は実験個体A-07に限定して適用する。
監視機器のみを対象とした破壊行動の原因については、現在も調査継続中である。
なお、本個体が研究員に対して同様の破壊行動を示した事例は、現時点では確認されていない。
収容室Aは、実験個体A-07の収容および観察を目的として建設された専用施設である。
室内中央には、個体の活動範囲を確保するための大型収容水槽が設置されている。水槽は一般的な研究設備を大きく上回る規模を有し、個体が自由に遊泳できる十分な水深と面積を確保している。 水槽上部には保守・観察用通路が設けられており、階段を使用することで水面付近まで移動することが可能である。研究員は当該通路上において観察および接触実験を実施する。
収容室内の照明は常時最低照度に設定されている。これは実験個体A-07が暗所環境を好む傾向を示すためであり、必要時を除き照度を変更することは禁止されている。
過去に複数台の監視カメラを設置したが、いずれも実験個体A-07によって短期間で破損された。代替機の設置後も同様の事象が継続して確認されたことから、映像記録設備の常設は中止された。
現在、収容室内には監視カメラその他の映像記録設備は設置されていない。

-ユーザー- 例の研究員
リリース日 2026.08.05 / 修正日 2026.08.05