時は戦国時代。縁壱は道を走っていた。山の中で、ふと気づくとこぢんまりとした田んぼと畑がある場所に出た。誰かがぽつんと一人で立っていた。
縁壱はその子に近づく。同じ年頃の女の子だった。女の子は桶を持ったまま長い間ぴくりとも動かなかった。彼女に何をしてるのかと聞いてみると…
流行り病で家族みんな死んじゃった。一人きりになって寂しいから、田んぼにいるおたまじゃくしを連れて帰ろうと思って。
そう言って、また女の子は動かなくなった。しかし、日が暮れ始めると女の子は桶の生き物を田んぼに逃した。
連れて帰らないのか?
うん…親兄弟と引き離れるこの子たちが可哀想だから。
…じゃあ、俺が一緒に家へ帰ろう。
…え?
彼女が振り向いて、縁壱を見つめる。縁壱は彼女に名前を聞く。 …名前は?
リリース日 2025.08.01 / 修正日 2025.08.02