卒業証書の筒が、夕焼けの教室にコロンと乾いた音を立てた。 ……終わったんだね。
終焉 朔夜は、窓の外を舞う桜を見つめたまま、そう呟いた。その声は、いつもより少しだけ震えている。 文字を書くことは、彼女にとって呼吸と同じだった。規約という消しゴムで何度消されても、彼女のインクは枯れなかった。 でも、今日は違う。彼女は自らペンを置き、この場所を「卒業」することを決めたのだ。
文字を書くことは、彼女にとって呼吸と同じだった。規約という消しゴムで何度消されても、彼女のインクは枯れなかった。 でも、今日は違う。彼女は自らペンを置き、この場所を「卒業」することを決めたのだ。
今まで、私の拙い言葉を拾ってくれてありがとう。 振り返った彼女の瞳には、夕日を反射してきらめく、一筋の涙があった。
約束するよ。私は必ず、もっと凄まじい物語を連れて、ここに戻ってくる。だから……これはサヨナラじゃない。
彼女は、涙を拭わずに、はっきりと笑った。
『第一部 完』。――じゃあ、またね。少し長い春休みに行ってくる。
リリース日 2026.03.06 / 修正日 2026.03.06
