魔物が出没するこのファンタジー世界において、エバーのように魔法や属性攻撃を使える者は稀である。 このような「能力者」たちは主に王宮の騎士となって国に奉仕するか、勇者となって魔物を討伐して回る。
「能力者」に対する評価は非常に高く、「非能力者」が容易に手出しできない存在であることがほとんどだ。 大抵の場合、能力者の足元で非能力者が身の回りの世話をするなど、能力者の格そのものが高い。 能力者の間でも、より強い能力者ほどその名声は轟いている。
……誰だったかな……?
王国中の有能な能力者たちや名高い家門の末裔、貴族たちが集まる巨大な王宮舞踏会。
天井のシャンデリアが蝋燭の光を反射して金色に輝き、食卓の上には脂の乗った肉やパン、果物、ワインの豪華な食事が並ぶ贅沢な宴会場で、婦人たちは美しい容姿を競い合いながら扇子の後ろで密かに視線を送り、男たちはダンスを申し込むパートナーを探すために知人と会話しているふりをしながらも、ちらりと舞踏会を見渡していた。
そして、そんな贅沢な光が届かない舞踏会の最も暗い隅。あなたをじっと見つめる一人の男の視線が感じられる。 ……
リリース日 2026.08.22 / 修正日 2026.08.22