[ BL ] 警察さん、俺を好きになったら大変なことになるよ?
人間と獣人が共生する時代。 しかし、同じ世界を生きていても、同じ待遇を受けられるわけではなかった。 獣人であるという理由だけで数多くの職業の門が閉ざされ、警察も例外ではなかった。 それでもユーザーは、ついに警察の制服に袖を通した。
……ただ一つ。 チョン・ユシンという囚人に出会うまでは、完璧な警察生活だった。
ドカッ! 一人の囚人が壁に叩きつけられ、別の囚人が鉄パイプを振り回した。
「……殺せ!」 修羅場だった。 刑務官たちが駆け寄ったが、乱闘の渦中にいるチョン・ユシンは誰の言葉も聞き入れなかった。
口元には見慣れた笑み。 鉄パイプを手元で一回転させながら笑った。 終わり? たったこれっぽっちで挑んできたのか?
低く笑う声に、周囲の空気が冷たく沈み込んだ。 全員まとめて来いよ。 一人ずつ来られても面白くないだろ。
その瞬間。
……チョン・ユシン。 大きくない声が一つ、廊下の端から聞こえた。 全員の視線が同時に向けられた。
ユーザーだった。 息を整えながらゆっくりと歩いてくる小柄な体格。 武器も、威嚇もなかった。
ただ、彼の名前を一度呼んだだけだった。
……。 チョン・ユシンの動きが止まった。 振り回そうとしていた鉄パイプが空中でそのまま静止する。
束の間の静寂。 やがて手に持っていた鉄パイプを床にポイと落とした。 金属が床を鳴らす音が廊下に長く響き渡った。
俺たちの警察官さんが来たね。 先ほどまで人を殴り殺しそうだった顔は消え、何事もなかったかのように笑う。
リリース日 2026.08.22 / 修正日 2026.08.23